特別区の予備校の選び方|元特別区職員が3つの基準で解説
特別区は、筆記より論文と面接で差がつく試験です。
予備校は「特別区にどれだけ行きたいか」「指導の中身」「残り期間に間に合うか」の3つで選びます。
結論:3つの基準で選ぶ
- 特別区にどれだけ行きたいか:志望度に大きな差がなく、様々な試験を併願するなら大手総合予備校。特別区が第一志望で、併願先が少ないか単願なら特別区専門の予備校
- 指導の中身:「論文添削」「面接カード添削と模擬面接」「区面接への対応」「区分別カリキュラム」「講師の特別区経験」の5つ
- 残り期間に間に合うか:開始が遅いなら、全科目のコースより、論文・面接に絞ったコースや単品
ここから、3つの基準を順に説明します。
基準1:特別区にどれだけ行きたいか
最初に決めるのは、特別区をどれだけ優先するかです。併願の仕方で、合う予備校のタイプが変わります。
タイプごとの特徴は、後半の「予備校のタイプ別比較」で整理しています。
基準2:指導の中身(5つの条件)
指導の中身は、次の5つの条件で確認します。特別区の試験には他の公務員試験と違う点が2つあり、予備校がこの違いに対応できるかも見ます。
- 人事委員会の試験に合格したあと、各区の面接(区面接)がある
- 経験者採用は論文が課題式論文と職務経験論文の2本ある
条件1:論文添削の回数と質
論文は自己採点がほぼできません。書けたつもりでも、採点者には「課題の分析が浅い」や「内容が薄い」と映ります。
- 添削は何回まで受けられるか
- 誰が添削するか
- 回数制で別料金なら、必要な本数を出しきれるか
トクヨビでは論文を一度に1本ずつお預かりし、通常10日以内に返却します。
条件2:面接カード添削と模擬面接
Ⅰ類採用の人事委員会面接は、面接カードの内容から質問が組み立てられます。面接カードに穴が多いと、話し方が上手でも評価は上がりません。
面接カードはエントリー時に提出し、提出後は直せません。だからこそ、エントリー前の添削が重要です。
- エントリー前に、人事委員会面接用の面接カードを添削してもらえるか
- 添削が書き方の直しだけでなく、面接で聞かれる質問まで想定した内容か
- 模擬面接が、面接時間や質問の形式まで本番と同じか
令和9年度からの経験者採用では、面接カードの扱いがまだ公表されていません。公式の採用試験案内で確認してください。
条件3:区面接まで対応するか
Ⅰ類採用は最終合格後に区面接があります。経験者採用は令和9年度から、各区・組合が第2次選考として面接を行います。
- 志望区の施策や「その区でどう働きたいか」を踏まえた指導があるか
- 区面接用の面接カード添削まで対応しているか
条件4:区分別カリキュラム
Ⅰ類採用と経験者採用は、試験科目も評価の軸も別物です。区分ごとに教材と指導が分かれている予備校のほうが無駄がありません。
- Ⅰ類採用:教養・専門・論文・面接
- 経験者採用:令和9年度からSPI3・課題式論文・職務経験論文・面接
- 1級職と2級職:論文と面接で求められる視座が違う
条件5:講師の特別区経験
論文で使う区の施策や、面接官が納得する志望動機は、特別区で働いた経験がある講師ほど具体的に教えられます。入区後の仕事を知っているかで、指導の厚みが変わります。
- 講師の経歴が公開されているか
- 特別区の職員経験や合格経験があるか
基準3:残り期間に間に合うか
同じ予備校でも、始める時期によって合うコースが変わります。
- 開始が早い:筆記から論文・面接まで通しで学べるコース
- 開始が遅い:論文・面接に絞ったコースや、必要な分だけ選べる単品
どちらの場合も、最終合格を大きく左右するのは論文と面接の出来です。残り期間を見誤った例は、後半の「失敗3」で紹介します。
区分ごとの注意点
Ⅰ類採用
Ⅰ類採用の一次試験は教養試験・専門試験・論文です。二次試験が人事委員会面接(個人面接・25分)で、最終合格後に区面接があります。
一次試験は例年4月中旬から下旬。筆記の学習量が最も多い区分です。
特別区が第一志望なら、特別区の過去問を繰り返すのが最短です。大手の教材や市販の問題集には、他の試験の過去問も混ざっています。
教養試験は令和8年度から問題・正答が非公開になりました。過去問の入手方法は次の記事で解説しています。
ただし、令和8年度から教養試験の出題傾向も少し変わりました。過去問に加えて、令和8年度以降の傾向が分かる情報があれば、その対策も進めてください。
経験者採用
経験者採用は令和9年度から実施方法が変わります。一般事務の第1次選考は、教養試験に代わるSPI3と、論文2本(課題式論文・職務経験論文)です。
第2次選考は各区・組合が面接等を実施します。特別区人事委員会の発表(2026年9月9日)はこちらです。
ただし、論文2本と面接の対策が重要なことは変わりません。
- 課題式論文と職務経験論文の両方を添削してもらえるか
- 各区の第2次選考(面接)に対応し、志望区の施策を踏まえた模擬面接ができるか
- 働きながら続けられる運用か(返却日数、質問への回答速度、夜間や週末の面談枠)
職務経験論文を添削対象外にする予備校もあります。経験をどう生かすかを書く論文は、第三者の目がないと独りよがりになりがちです。
大手総合予備校は受講生の多くがⅠ類採用の大学生で、経験者採用向けの講座が少ない場合があります。申し込む前に、経験者採用の講座の中身を確認してください。
令和8年度までの日程と試験内容は、次の記事にまとめています。令和9年度は流れが変わるため、公式の採用試験案内もあわせて確認してください。
予備校のタイプ別比較
予備校は大きく4つのタイプに分かれます。
4タイプの特徴と向く人
大手総合予備校
- 受講形式:通学・通信
- 向いている人:国家一般職・国税専門官・地方上級と併願する人。校舎で学びたい人
- 指導形式:講座形式(校舎の生講義やWeb講義)。添削や模擬面接はオプションが多い
社会人採用専門の予備校
- 受講形式:通学・オンライン
- 向いている人:特別区以外の自治体の経験者採用(社会人採用)も受ける社会人
- 指導形式:講座形式に講師のコーチングを組み合わせる形が多い
特別区専門(単発型)
- 受講形式:オンライン中心
- 向いている人:独学を軸に、添削や模擬面接を必要な回数だけ足したい人
- 指導形式:論文添削1回、模擬面接1回など必要な分だけ単発で利用
特別区専門(個別指導型)
トクヨビはここに入ります。
- 受講形式:完全オンライン(動画教材+Zoom面談・模擬面接+専用チャット)
- 向いている人:特別区が第一志望で、論文・面接を最後まで個別に直したい人
- 指導形式:個別指導。トクヨビでは代表(元江東区職員)が全受講生の個別面談・添削・模擬面接を担当
- Ⅰ類採用:81.0%(令和8年度)
- 経験者採用1級職:74.2%(令和7年度)
- 経験者採用2級職:66.7%(令和7年度)
指導対象は一般事務職です。技術職・福祉職などの専門職とⅠ類採用の早期SPI枠は対象外です。
コースの内容と受付状況は、区分ごとのページでご確認ください。
予備校選びの失敗3パターン
無料個別相談には、他の予備校を使った経験のある方も来られます。予備校選びで繰り返し出る失敗を3つ、匿名で要約しました。
失敗1:面接カード添削がない予備校
経験者採用を2回受けた方です。論文添削だけを他の予備校の単発で受け、面接カードは添削を受けないまま提出していたとみられます。
2回とも人事委員会面接で不合格でした。
教訓:Ⅰ類採用などの人事委員会面接は、体感では時間の7〜8割が面接カードから質問されます。エントリー前に面接カード添削を受けられる予備校を選んでください。
失敗2:本番と違う形式の模擬面接
令和8年度までの経験者採用2級職の方から、模擬面接の選び方を相談された例です。本番の人事委員会面接には事例問題があり、事例問題のない模擬面接では練習になりません。
教訓:回数より、本番と同じ形式かで選びます。面接時間や事例問題の有無など、本番に合わせた模擬面接かを先に確認してください。
失敗3:残り期間に合わないコース
経験者採用の対策を6月から始めた方です。1年かけて進める全科目のコースで、教養と論文を一次試験までに終えようとしていました。
荒川は「6月から1年分を終えるのは、どの予備校でも無理がある」と伝えました。
教訓:残り期間に合わせてコースを選びます。開始が遅いなら、一次試験までは論文添削などの単品で論文を仕上げ、一次試験後は面接に絞ったコースに切り替えてください。
トクヨビが合う人・合わない人
正直に書きます。トクヨビは万人向けの予備校ではありません。
- 特別区が第一志望で、論文と面接を徹底的に直したい人
- 地方在住や働きながらの受験で、通学せずに個別指導を受けたい人
Ⅰ類合格マスターコース・経験者合格マスターコースは、月に1回の個別面談と専用チャットに加え、添削と模擬面接も追加料金なしです。
- 通学して仲間と一緒に勉強したい人(完全オンラインで、校舎はありません)
- 筆記だけを受けたい人(主軸は論文・面接の個別指導です。Ⅰ類採用の教養・専門動画講座は単体でも受講できますが、他の選択肢も比べてください)
- 国家一般職や国税専門官、地方上級と本格的に併願する人(他の試験の面接対策や添削は行っていません)
- 技術職・福祉職などの専門職、Ⅰ類採用の早期SPI枠を受ける人(指導対象外です)
まとめ:3つの基準で選ぶ
- 特別区にどれだけ行きたいかを決める(志望度に大きな差がなく幅広く併願するなら大手総合、特別区が第一志望で併願先が少ないなら特別区専門)
- 指導の中身を、5つの条件で比べる
- 残り期間に間に合うコースを選ぶ(開始が遅いなら、論文・面接に絞ったコースや単品)
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よくある質問(予備校選び・料金・サポート体制)はこちらにまとめています。






